オペ後の外科病棟の状態

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外科病棟 オペ前後はハード

オペの前後はとても緊迫しています。

 

オペの前は時間までに前処置を終わらせられるかで戦います。

 

オペ前

 

・手術着への着替え
・バイタルサイン
・排便の状態を知り、指示があれば浣腸します。
・輸液の指示があればサーフロ留置
・必要なら剃毛・臍部処置
・コンタクト・眼鏡・入れ歯、指輪などしていれば外してもらう
・化粧もしない

 

とこのような流れの処置をします。

 

オペ後直後

 

オペ後は呼吸状態、意識状態、全身状態をトータル的に観察をします。
バイタルサイン測定 15分〜30分〜1時間と段々あけます。

 

尿量チェック、心電図装着、酸素吸入、点滴、指示があれば輸血。NGが入ってればその管理。
呼吸状態によってアンビューを使用しながら帰ってきて、レスピレーターにつなぐ事もあります。

 

オペ後の状態は変わりやすいです。観察の密度が濃いですし、点滴、輸血など酸素の量など指示受けする項目が多いです。
全身状態が良くなっていけば、観察の間隔も長くなり安定していきます。

 

大きな病院では毎日オペがありますし、オペ前後はみんながテキパキ動かなければなりません。

 

いつも穏やかなドクターも先輩上司もオペ前後に殺気立つので言葉も荒々しくなりますが、イチイチ気にして凹んでいては仕事になりません。
マスクをしていると何か指示を言われても聞き取りにくいです。そんな時、カリカリしていて聞き直せない雰囲気もあるのですが分からないまま放置しておくときちんと指示が受けられません。

 

帰室した時ドクターに直接点滴の滴下数を言われたりとか、酸素は口からか鼻からかとか、酸素量は何リッターかとか、その場での指示を言われる時もあります。
些細な事ではありますが、こういった事を聞きのがしてしまうと後で言った、言わないという問題にも及びますので漏れがないように細心の注意を払います。

 

手術後は合併症が起きることがある

 

オペ後病棟に戻ってきたら、術後の合併症が出現していないかを注意して観察します。

 

創部

手術創、ドレーンからのからの出血、縫合状態を観察
縫合不全も起きる可能性があります。

 

呼吸器合併症

 

全身麻酔を行う手術では呼吸器合併症を併発するリスクがあります。挿管チューブを入れて機械的に呼吸を促すため、気道、喉頭を傷付けることになり、分泌物が増えて合併症につながってしまいます。

 

呼吸状態、呼吸音を聴取、サチュレーションでSPO2把握、喀痰の色や量などを見ていきます。状態が悪化すれば気道閉塞、肺炎、無気肺になるがあります。

 

静脈血栓症

 

手術のため足を動かさないのが長ければ静脈の流れが遅くなり血栓の原因になります。下肢に血栓が出来れば下肢が腫れて熱を持ちます。足の血栓が肺に飛んで肺塞栓症に至る事が多いです。肺塞栓症では急に呼吸困難に陥りショック状態になる可能性もあります。

 

80代の男性の呼吸不全の例

 

オペ後の患者さんで歩行できるし意思疎通も問題のない高齢の男性で元気な方が胃がんのオペをしました。
高齢の方でしたが、病気に対しても前向きで、
「先生にお任せするしかないし、落ち込んでもしょうがないですからな、悪いところ取ってもらいますわ(笑顔)」と温厚な性格の方でした。

 

スタッフみんなから愛される患者さんで”癒される”と評判もよく、高齢なので胃がんでも今後の進行も遅いのかなという認識で接していました。

 

オペ自体は問題なく終了し、オペ直後のバイタルサイン的にも問題ありませんでした。
スムーズに経過していくと誰もが思いました。

 

ですが喫煙歴もない方ですがオペ後にどうしてもレスピレーターを離脱することが出来ませんでした。
自発呼吸がないので強制的にレスピレーターで呼吸させなくてはならないのです。

 

長くレスピレーターを装着し、挿管チューブも交換日が何回も来るほどの日数を経過してしまいました。
お腹の創部のほうが良くなっていくのが早くて、本当ならもう退院してもいい時期になってしまいました。

 

その間、何も先生や私たち看護師にも何も文句の一つも言いません。

 

私たちナースのほうが、あの手術はして良かったのだろうか、、と疑問に思う事もありました。
振り返ってもオペ前にこんなレスピの離脱が出来ないと予測する因子はなかったし、仕方のない事なのかと思いながら経過してしまいました。

 

長くレスピレーターを付けているため無気肺になってしまい、レントゲン写真も真っ白。
素人が見てもこれは・・と絶句する位の真っ白でした。

 

痰の量も多く、色も悪い。熱も上がってきて抗生剤もかなり使いました。食べられませんのでCV挿入になり、褥瘡も出来かけました。

 

そんな状態が続き、血圧が低下し数日意識がなくなった後、お亡くなりになりました。

 

 

誰もが元気で家に帰れると思っていた患者さんの状態が良くならずお亡くなりになるのは看護師としても辛い経験でした。

 

外科病棟ではみんながオペ後元気に帰れるという印象がありましたが、このようなケースもあります。

 

辛いですが今自分に出来る事を一生懸命やっていくというやりがいのある仕事でもあります。

 

 

癌切除後

 

退院する時、患者さんも大変な手術を終えての退院なのでとても喜んで下さいます。
「本当にお世話になりました!手術は辛かったけど皆さんのおかげで頑張れました」というお言葉を頂く事もあります。

 

「何か調子が悪くなったらまた来てくださいね」とこちらもお声掛けします。

 

外科ではオペを受ける患者さんが対象ですので患者さんが2回来ることは基本的にはありません。
癌の患者さんの場合、一度切除をしていますので、再発時にまた再び外科には入院しません。次に入院する時は内科になります。

 

この事は患者さん本人が十分知っています。いつかまた再発するかもしれないし、その時はまた入院です。
お互い分かってはいますが、そこは勿論口にはしません。

 

外科病棟の看護師は手術と戦う患者さんを見守るのが仕事です。でもそれはご本人にとって一瞬の出来事だと思います。
癌と戦うのはご本人で、私たちはその闘病生活に一瞬だけ関わるだけです。

 

忙しくてやる事はたくさんあり、仕事をこなしている充実感はありますが、それは私たち看護師のおごりなのかもしれないと思うのでした。

 

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