訪問看護の出来事について

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訪問看護をしていた人にインタビューしてみました

 

訪問看護をしていた方にインタビューしてみました!

 

患者さんの家に入るというのは病院で接するよりも患者さんが主体です。病院では色々規則があって守ってもらわないといけないことも多いですが現場はご自宅なのでこちらが折れなければならない場面もあります。

 

家で過ごす事が出来るのをお手伝いするのはやりがいがあるお仕事なのだと思いました。


 

印象に残った訪問看護のお話

 

きのこの生えた家

 

私の行っていたおうちは糖尿病もあり目も悪くなっている方でした。
全盲ではないですが、視力の低下が著しい状態。

 

一人暮らしではないのでまだ安心ですが、あまり家族との交流はありません。
食事の用意はしてもらえていますが、宅配で糖尿食を注文していて、その食事を運んでもらうというだけでした。

 

このお宅が何と言っても強烈にお部屋が汚いのです。泣けました。

 

梅雨の時期、多分普段空気の入れ替えとかしないんでしょうね。
部屋がジメジメしていて畳がニュルっとしてキノコが生えてるんです!

 

そのお宅に行くと、まずは掃除からです。
出来れば靴で入りたいと思いつつ、捨ててもいい靴下をはいていきます。
ビニール袋を上から履きたいのですがあからさまに「汚いですよ!」という態度になってしまうのでそれも我慢です。

 

ざっくり掃除してポータブルトイレを片付けてから理由は忘れましたがおにぎりを買いに行ってとお願いされてコンビニに買いに行くことにしました。

 

訪問看護は自転車で行っていたので、コンビニにも自転車で行きました。

 

コンビニに入ると不思議とみんなが怪訝そうな顔をしてジロっと見てきました。

 

「え?なんだろう?何か汚れてるかな?」と思いましたが特に目立つ汚れはありません。

 

でも自分では気が付かなかったのですが、やっぱり臭うようでした。
長くその部屋にいたので自分では麻痺しちゃって悪臭に気が付かなかったんですね。

 

そそくさとおにぎりだけ買ってまた戻るため自転車に乗りました。

 

そうすると狭い所で若いお兄ちゃんに
「こらあ、うっとうしいなあ!ひょろひょろするな!!!!」

 

と怒鳴られました。

 

この時は私って何なんだろう・・・と悲しくなりました・・・

 

息子さんが一人で看ているお宅での出来事

 

大きな豪邸で寝たきりになっている80代女性の訪問に行っていました。
大きなお部屋に一人ひっそりと寝かされています。余計な物は何も置かれてなくてちゃんと片付けてらっしゃる家でした。

 

50代の息子さんが一人でお母さんの介護を引き受けているという家族構成でした。
息子さんは無職のようでしたが豪邸ですし何とかなっているんだなという印象。
もちろん自分からはそういう立ち入った事は聞きません。
兄弟もいたのですが、自宅で働いているという事できっと一人きりで孤独な介護をしていたと思います。
物静かで私が何かしていても後ろでそーっと見ていて、あまり声をかけられた事がありませんでした。

 

いつも見られているのでちょっと緊張もしますが次第に慣れていきました。

 

おむつを替えて清拭をしてバイタル測って小さな褥瘡があったのでその処置をするというのが一連の流れでした。

 

ある日、清拭後の服が一人で脱げないようになっているファスナーがたくさん付いた服でした。
私はこの服を着せるのが初めてでちんぷんかんぷん。

 

手と足が一緒になってる?みたいになってしまい、それを息子さんが見てクスっと後ろで笑いました。

 

この時だけ手伝ってもらい、無事着せるのは終わりました。

 

(温厚な人なんだな〜)と思った記憶があります。

 

その後何年かしてこのお母様は亡くなられました。お年ですし老衰でした。
またその数か月後何とこの息子さんは自殺してしまいました。もう訪問看護には行っていませんでしたから風の便りで聞きました。。

 

親の介護をしていた時の方が充実感があるのでしょうか。
親の介護が終わった途端、やるべき事が無くなって喪失感からだったのでしょうか。
何かお役に立てなかったのかと思うのでした。

 

こちらが元気をもらう事も多いです

 

かわいいおばあちゃんのご自宅に訪問に行っていました。
言葉は少ないですが温厚で家族にも愛されている方でした。
ちゃんと毎日のお熱や排便の事もノートに記されているので様子が分かりやすかったです。
薬の管理もちゃんとされていて、ご自分たちで病院で配薬するような形で日付と朝昼夕が書かれてセットされていました。

 

子供さんがみんな近くにいて入れ替わりやってきます。兄弟同士も仲が良くて夜一人にさせないために交代に泊まったりもしているのだそう。
皆さんが和気あいあいとされている中に訪問させて頂くことでこちらが癒されました。

 

訪問看護師をしようと思ったきっかけは何ですか?

 

病棟の勤務をしていましたが、出産して夜勤のある仕事は無理だと感じて一旦退職しました。
でもやっぱり看護師をやりたいなと思って再就職を決めました。

 

不安はありませんでしたか?

 

そのお宅に行くのは順番で色んな看護師が行きますが当日は基本一人です。
何か異常があった時に見逃してしまっては状態が悪化する可能性もあるので、ある程度経験を積んだ看護師でなければ難しいかと思います。
責任重大ですが30代でしたし病棟勤務経験後だったのでそんなに気負いがあった訳でもありませんでした。
こちらが不安に思っていると患者さんもこの人大丈夫かな?って不安が移るかなって思いますので、「何とかなるさ」と思うように心がけていました。

 

どんなお仕事なのですか?

 

色んな薬剤を使って病気を治すというのではないので、その人らしく過ごして頂くのが目標になります。
元気で過ごしてもらうのが一番です。病気があれば悪化しないように見守ったり、清潔を保ち健康的な生活を送るのを手助けします。
慢性期で病状的には落ち着いている方ばかりなので、いつもと違う事を発見する事が大切だと思います。

 

一人の人と長く深く関わるので段々家族みたいな気持ちになっていきます。
ゆったり接したいという人に向いているでしょうね。

 

訪問看護師をやってて良かったと思う事って?

 

病院で働いていた時には検温も清拭もお風呂の時間も検査するのも全部病院の都合に患者さんを合わせてもらっています。
それが病院にいるときは当たり前でした。
上から目線の気持ちは無いつもりでしたが、病院ではやっぱり「こちらの言う事ちゃんと聞いてくださいね」って事になっていると思いました。

 

ですが患者さんの家に入れば何か壊したり汚したりしてはいけませんし気は使います。で、患者さんのご希望に出来るだけ沿うように動きます。
病院というのは病気を治すための空間であって、患者さんにとっては家で過ごすというのが本来のお姿です。
それをサポート出来るというのはその人の人生に大きく関わる事なのだなーと実感しました。

 

人見知りするので(笑)始めは受け入れてもらえるか不安です。
よくお話する高齢の女性なら話やすいですし溶け込みやすいのですが、気難しそうな男性の所に行くのは不安もありました。

 

でも何度か通ううちに喜んで頂けるようになり、笑ってお話して下さるようになり、待ってて頂けるようになると本当に嬉しいですね。
失礼ですけどかわいいなあって思うようになるんですよねヽ(◎´∀`)ノ